おうちでパレット

パレットおおさきが発行した星のおたよりです。
おうちで気軽に星空散歩を楽しみましょう★

家庭で気軽に星空散歩 第7回
2020.5.20

大崎タイムス連載 第7回
「しし座とかに座を探そう」

 新型コロナなど不安がいっぱいで、気分が滅入りそうな毎日。こんなときは、気分転換に星空を見上げてみませんか。今回も明るい街の中や家の近くでも楽しめる、気軽な星空散歩の仕方を紹介します。

 22日の金曜日、晴れたら、ぜひ夕方の西の空をご覧ください。前回もご紹介したとおり、金星と水星が大接近します。7時半ごろに金星がひときわ明るく輝き始め、ほどなく、そのすぐ左側に明るい星がくっついているように見えます。水星は、なかなか見るチャンスがない惑星ですが、金星を目印にすれば探しやすくなります。本日21日も、金星のすぐ下に見えますので、観察してみてください。なお、24日には月齢1.7の細い月が金星、水星と三角形に並び、その右上にはおうし座の2等星エルナト、ぎょしゃ座の星たちも見えて、素晴らしい眺めです。肉眼でも見えますが、双眼鏡があれば一層楽しめます。
 金星の右上には、カペラが輝いています。金星の左上にはふたご座の兄弟星カストルとポルックスが仲良く並んでいます。カペラとポルックスを結んで大きく伸ばしていくと、クエスチョンマークをひっくり返したような星の並びが見つかります。雨どいをかける金具の形に似ているので、「樋掛け星(といかけ星)」とも呼ばれます。プラネタリウムでは、「ハテナ」を裏返した形なので「ナテハ」のマークと紹介することもあります。
 西洋では、大きな草刈り鎌のように見えるので「ししの大鎌」と呼ばれ、ここが春の星座しし座の頭の部分です。台形はライオンの体、三角は尻尾。他の星もていねいに結び合わせると、ちゃんと前足や後足もあります。名前と形が一致しない星座が多いなかで、これほどわかりやすい形の星座はあまりありません。

 ししの胸に輝く星は、一等星レグルス。ラテン語で「小さな王様」の意味です。この星のそばを太陽の通り道が通っていることから、特別な星とされていたようです。ライオンのたてがみに輝くのはアルギエバで、アラビア語で「額(ひたい)」。ししのしっぽに輝くデネボラは、「ししの尾」です。ししの形にひとつひとつ丁寧に結びながら、線で結ばれる星を数えてみましょう。16個あります。しし座ですから、し・し=16というわけです。

 しし座の向く先には、かに座があります。誕生日星座としておなじみですが、暗い星ばかりで、目にする機会の少ない星座です。レグルスやポルックスを目印に探すコツを紹介します。はじめにレグルスとポルックスを結びます。ちょうど中間点から、ややポルックス寄りの場所に狙いを定め、そこからプロキオンのほうに少し視線を下げます。凝視するのではなく、軽くそらし目気味に見てください。暗い夜空では、小さな雲が浮かんでいるように肉眼でもはっきりと見えます。双眼鏡を使えば、美しい星の集まりが見えます。プレセぺ星団です(写真)。この星団を取り囲むように、暗い星が台形を作っていて、まるでかにの甲羅のようですね。すると、プレセぺ星団は、カニ味噌といったところでしょうか。

(写真・文 大崎生涯学習センター長 遊佐徹)

写真:かに座のプレセぺ星団(双眼鏡で見たイメージ)

図:金星・水星としし座、かに座など
家庭で気軽に星空散歩 第6回
2020.5.14

大崎タイムス連載 第6回
「ぎょしゃ座の五角形を探す」

 新型コロナなど不安がいっぱいで、気分が滅入りそうな毎日。こんなときは、気分転換に星空を見上げてみませんか。今回も明るい街の中や家の近くでも楽しめる、気軽な星空散歩の仕方を紹介します。

 今回は、冬の星座のラストを飾る「ぎょしゃ座」をご紹介しましょう。
ぎょしゃ座・・・噛まずに読めますか? ぎょさざ?、ぎょさじゃ?、ぎょーざ? なんて呼びにくい星座でしょう。ぎょしゃ座・・・この機会に何度も口にして、覚えていただきたいと思います。

 さて、呼び方は難しいぎょしゃ座ですが、探しかたは簡単です。いまなら一番星の金星が良い目印になってくれるからです。
今晩の8時頃、まずは金星を見つけます。まばゆいほどの圧倒的な輝きを楽しんだら、視線をその右上に向けます。明るくぽつんと輝いているのが、一等星カペラです。自動車の名前としてもおなじみの星です。有名なだけでありません。とてもきれいな色をしています。お持ちであれば、ぜひ双眼鏡を向けてみましょう。淡く優しい黄色味がかった輝きです。双眼鏡を向けたついでに、カペラのすぐ下に、3つの星が作る小さな三角形をさがしてみましょう。それぞれ、アル・マーズ、ホエドゥスⅠ、ホエドゥスⅡという名前があります(写真)。

 カペラの色合いと小三角形を見たら、次は肉眼で将棋の駒のような星の並びを探してみましょう。一等星のカペラを含む見事な五角形が、ぎょしゃ座です。ぎょしゃというのは、馬車に乗って馬を操る人(御者)のことです。ギリシア神話では、馬車を発明して戦場を駆けたアテネ王・エリクトニウスの姿とされます。

 日本では、その形そのままに「五角星」と呼ばれていました。私のプラネタリウムでは、受験生にこの星をおすすめしています。ごかくせい、ごーかくせい! とても縁起が良さそうな名前で好評です。古代中国星座では、五車(ごしゃ)。五台の車に山積みされるほどたくさんの書物を意味するのだそうです。中国と日本との呼び方で、ごしゃ、ぎょしゃと似た響きなのは興味深いところです。

 西洋の星座絵では、エリクトニウスがヤギを抱っこした姿が描かれています。ラテン語で、カペラは「メスのヤギ」、アル・マーズは「オスの子ヤギ」という意味があります。

 最後に、エリクトニウスの右足に輝く2等星エルナトを探しましょう。エルナトはアラビア語で「(角で)突くもの」という意味。名前のとおり、おうし座のツノ先の星で、正式にはぎょしゃ座の星ではありません。エルナトは、いま金星に接近しているので、見つけやすいでしょう。22日には、水星が金星に大接近し、エルナトとともに三角形をつくります。さらに24日には、これに細い月まで仲間入りします。金星と水星、月、エルナトの接近、集合の様子は見逃せません。ご家族でぜひ観察してみてください。

(写真・文 大崎生涯学習センター長 遊佐徹)

写真:ぎょしゃ座のカペラ付近(双眼鏡で見たイメージ)

図:金星からぎょしゃ座の五角形を探す
家庭で気軽に星空散歩 第5回
2020.5.9

大崎タイムス連載 第5回
「ネコの星を探してみよう」

 新型コロナなど不安がいっぱいで、気分が滅入りそうな毎日。こんなときは、気分転換に星空を見上げてみませんか。今回も明るい街の中や家の近くでも楽しめる、気軽な星空散歩の仕方を紹介します。

 この頃、とても日が長くなりました。5月10日の日没は、午後6時38分です。一番星・金星が西の空に輝き出すのは7時頃で、金星に続く明るい星が見え出すのは7時半を回るころ。ふと気付けば、先月まで見えていた冬の星座のオリオンは、見納めになってしまいました。

 金星の左上に目を向けてみましょう。二つの星が、横に仲良く並んでいます。ふたご座の兄弟星で、右がカストル、左がポルックスです。ギリシャ神話では、カストルがお兄ちゃんですが、良く見ると弟のポルックスのほうが明るく輝いています。ポルックスが1等星であるのに対し、カストルは2等星です。肉眼でも、明るさの違いは分かりますので、じっくり明るさ比べをしてみましょう。さらに良く注意してみると、色の違いもわかるはずです。双眼鏡を使うとはっきり分かります。ポルックスはややオレンジ色、カストルは青白い色をしていて、色の対比がきれいです。星の色には、表面の温度が反映されていて、青白く輝くカストルは高温の星なのです。弟より暗くて目立たなくても、実は情熱的な兄であるというわけです。

 さて、これらの星をじっくり見ているうちに、二つの星が何やら目玉のようにも思えてきます。実は、この二つの星には、「メガネボシ」とか「ヤブニラミボシ」という異名があります。なるほどそうかと思いながらじっと見つめるうちに、逆ににらみ返されるような気持にもなります。そうしてにらめっこしているうちに、暗闇にひそむネコの目がギョロリと光り、こちらを見ているようにも思えてきます。またまた別の名を、「ネコノメボシ」とも。ネコ好きの方は、ぜひ探してみてください。

 この近くに、やまねこ座という星座もあります。カストルとポルックスのすぐ上に、大きなネコが体を伸ばして横たわったように星が並びます。前回は、たった二つの星の並びで作られるこいぬ座には、無理があると述べました。こちらも7つの星を適当に結んだだけで、とてもネコの姿には見えません。それもそのはず、このやまねこ座は、おおぐま座としし座の間にぽっかりと空いていた「星座の空白地帯」を埋めようと、ポーランドの天文学者ヘベリウスが1687年に、半分遊び心で作ってしまった星座なのです。明るい星もなく、とてもヤマネコの姿には見えず、作った本人でさえ「この星座を見るためには、ネコの目が必要だ」とうそぶいてみせたとか。それぐらい、やまねこ座を探すのは至難の業です。

 コロナ禍が過ぎ去って、一日も早くプラネタリウムでこの星座を皆さんに案内できることを祈っていますが、今は、ふたご座のネコノメボシを目印に、ヤマネコがひそむだいたいの場所を見るだけで良しとしましょう。

(文と写真 大崎生涯学習センター長 遊佐徹)

写真:ふたご座のネコノメボシ(双眼鏡で見たイメージ)

図:金星からネコノメ星とやまねこ座へ
家庭で気軽に星空散歩 第4回
2020.5.2

大崎タイムス連載 第4回
「金星,ベテルギウス,シリウスからこいぬ座へ 」

 新型コロナなど不安がいっぱいで,気分が滅入りそうな毎日。こんなときは,気分転換に星空を見上げてみませんか。今回も明るい街の中や家の近くでも楽しめる,気軽な星空散歩の仕方を紹介します。

 西の空に一番星・金星が輝いています。今晩7時半から8時頃には,金星から左下に向かって,ベテルギウスとシリウスが一直線に並んでいるのが見えます。シリウスとベテルギウスの場所を確かめたら,形の良い三角形を結ぶようにして,もう一個明るい星,プロキオンを見つけましょう。冬の大三角。小学校4年生の理科の教科書にも登場する有名な星の並びです。

 プロキオンの名前の由来は,「犬の前」。英語では,プレ・キオンといったところです。前回紹介したおおいぬ座は,シリウスを中心に,犬そっくりのわかりやすい形です。それでシリウスは,古くから犬の星・キオンと呼ばれました。プロキオンは,犬の星に先駆けて東の地平線に顔を出すので犬の前というわけです。やがて,プロキオンは,ゴメイザという星とたった二つだけで,こいぬ座になります。二つだけで犬の姿に見立てるのは,かなり無理があります。いっそのこと「一(いち)座」と名を改めたほうがわかりやすいのではと思うのですが,考えてみれば「一」は英語でワンだけに,やはり犬の星座のままでいいのかなとも思います。

 冗談はさておき,プロキオンの近くをよく観察してみましょう。ゴメイザのすぐ右上に,4等星と5等星の暗い星があります(写真)。暗い空では,肉眼でも見えますので,視力に自信がある方はチャレンジしてみてください。若い人ほど瞳は暗闇で大きく開きます。お子さんは,楽に見えるかもしれません。残念ながら見えなかったお父さんは,ぜひ双眼鏡を使ってリベンジしてみてください。ゴメイザと二つの星でできる小さな三角形は,犬の頭に見えてきます。何度も見ていると,そのうちかわいい子犬の姿に思えてくることでしょう。

 ちなみに,ギリシャ神話では,こいぬ座は,主人に忠実なメランポスという犬がモチーフです。ある事件が原因で二度と帰らない主人を,さびしい思いで待ち続ける忠犬メランポス。ゴメイザは,「泣き濡れる瞳」という意味です。主人を待ち続けるメランポスの涙,というわけです。
前回と今回は,犬の星座を巡る星空散歩のコースを紹介しました。犬の散歩が日課の方や犬好きの皆さん,ぜひ星空の犬も楽しんでください。実は,ネコに関係する星座やネコノメ星と呼ばれる星もあります。次回は,猫好きな方必見ですよ。

(文と写真 大崎生涯学習センター長 遊佐徹)

写真:プロキオンとこいぬ座(2020.4.27撮影)

図:ベテルギウス,シリウスからこいぬ座へ
パレほしたより No.3
2020.5.1

 パレほしたよりNo.3ができました!
今回は黄道12星座のひとつ「しし座」です。おうちでぜひお使いください。

・パレほしたよりNo.3 しし座(pdf)
家庭で気軽に星空散歩 第3回
2020.4.26

大崎タイムス連載 第3回
「ミツボシからシリウス,おおいぬ座へ」
 
 新型コロナなど不安がいっぱいで,気分が滅入りそうな毎日。こんなときは,気分転換に星空を見上げてみませんか。
今回も明るい街の中や家の近くでも楽しめる,気軽な星空散歩の仕方を紹介します。今回は,オリオンのミツボシからシリウス,おおいぬ座付近を巡ってみましょう。

 前回紹介したミツボシは,明るくわかりやすいだけでなく,星空を散歩する際に夜空の目印として重宝します。ミツボシは,真東から昇り真西に沈みますので,この時期にオリオン座が沈む方向から,だいたいの西の方位を知ることができます。
ミツボシを見つけたら,その並びを右に伸ばしていきます。前々回紹介したおうし座の一等星アルデバランが見つかり,そのまま延長するとプレアデス星団・すばるにたどり着きます。アルデバランとすばるの上には,金星がまぶしく輝いています。4月26日の宵には,そこに月齢3の細い月が近付いて,とても素晴らしい眺めです。

 もう一度ミツボシに戻りましょう。今度は,その並びを左の方向に伸ばしていきます。すると,金星ほどではありませんが,とても明るい星が輝いています。おおいぬ座の一等星シリウスです。星座を形づくる星々の中では,もっとも明るい星です。イヌの星だけに,ナンバーワン,というわけです。
 明るさだけでなく,色にもご注目。本来は青白く見える星ですが,西の空に低くなるこの時期には,赤や青が混じって見えることがあります。「大気のプリズム効果」によって色がめまぐるしく変化し,まるで,夜空で燃えさかる炎のようです。この様子は,肉眼でも楽しめますが,双眼鏡があれば,さらにきれいに見えます。シリウスという名前には,「天を焼き焦がすもの」という意味があります。双眼鏡でシリウスを見たついでに,その下の散開星団M41にも注目しましょう。十数個の星がこぢんまりとまとまっています(写真)。

 さて,シリウスの近くの星をたどりながら,犬の姿をさがしてみましょう。シリウスの右下に,ミルザムという2等星があります。これは,犬の前足です。シリウスの左下に,ウェズン,アダラ,アルドラと呼ばれる星が三角形を作っています。ここが,犬の腰,しっぽ,そして後ろ足です。シリウスのすぐ上には,2つの暗い星があって,犬の耳。シリウスと結んでできる三角形で,犬の顔になります。それらを,結び合わせると,なるほど犬そっくりの姿が夜空に浮かんできます。

 おおいぬ座は,オリオン座やおうし座と同様に冬の星座ですので,間もなく見納めです。空が暗くなってすぐに探さないと,あっという間に建物や山の向こうに隠れてしまいます。20時前には見ておきたいものです。でも,低く見えるぶん,シリウスの七色の輝きがよりいっそうきれいに見えますし,この時期だけのおすわりをしたかわいい犬の姿も見逃せません。南西の見晴らしが良い2階の窓やベランダから,ぜひ探してみてください。

(文と写真 大崎生涯学習センター長 遊佐徹)

写真:シリウスと散開星団M41(双眼鏡で見たイメージ)

図:ミツボシからヒアデス・スバル,シリウスへ

家庭で気軽に星空散歩 第2回
2020.4.22

大崎タイムス連載 第2回
「オリオン座を見つけよう」

 新型コロナなど不安がいっぱいで,気分が滅入りそうな毎日。こんなときは,気分転換に星空を見上げてみませんか。
 今回も明るい街の中や家の近くでも楽しめる,気軽な星空散歩の仕方を紹介します。今回は,オリオン座です。

 前回は,一番星の金星を紹介しました。その金星を目印に,そこから左に目を向けると,オリオン座が輝いています。明るい星が多いので,自宅の西か南の窓からも見えていると思います。
 オリオン座の並びはとても特徴的です。3つの明るい星が,ちょんちょんちょんと仲良く並んでいるのが,オリオンのミツボシ。それを挟むように左上に赤く輝くのがベテルギウス。右下に,青いリゲルが向かい合って光っています。全体で,リボンや太鼓の形に似た星の並びが,オリオン座です。

 ベテルギウスとリゲルの色の違いを楽しんだあとは,ふたたびミツボシを眺めます。どれもみな青白い星で,行儀よく並んでいます。その下にも,暗い星が3つ,縦に並んでいるのが見えますか。ミツボシより暗いので,小ミツボシ,と呼ばれます。
 できれば,部屋の明かりを消してじっくり観察しましょう。すると,小ミツボシの真ん中の星は,なんだかにじんでいるように感じませんか?

 ここで双眼鏡の出番です。まずミツボシを視野に入れ,そこから慎重に小ミツボシを確かめます。ぼうっとした小さな雲のような光が見えてきます。オリオン大星雲です。ここは,全天で最も活発に星が生まれてくる場所です。星雲は,水素やチリからなる星間物質で,星のお母さん。その中に集まる青白い星は,生まれたての赤ちゃん星です。

 先ほどのベテルギウスは,星の進化の末期にある赤色超巨星です。つまり,星のおじいちゃんです。ベテルギウスは,この冬にいつもより暗くなり,いよいよ爆発してしまうのではないかと心配させられました。でも,2月下旬から再び明るさを取り戻し,いまではすっかりもとの元気な姿で輝いています。

 このように,宇宙のダイナミックな営みを気軽に目撃できるオリオン座。星空の中でとびきり素晴らしい場所だと思います。
 25日から27日にかけて,オリオン座と金星の間に細い月が見えます。家の窓やベランダ,軒下からぜひ眺めてみてください。

(文と写真 大崎生涯学習センター長 遊佐徹)

写真:オリオン大星雲付近

図:オリオン座

家庭で気軽に星空散歩 第1回
2020.4.21

大崎タイムス連載 第1回
「一番星・金星を見つけよう」

 新型コロナなど不安がいっぱいで,気分が滅入りそうな毎日。こんなときは,気分転換に星空を見上げてみませんか。
 ある脳科学者によると,人は,両手をいっぱいに広げて空を見上げると落ち込むことができなくなるそうです。遠出できなくても,自宅のベランダや軒下からでも星空を見上げることができます。換気のついでに,窓から月や明るい星を探すだけで,空気も気分もリフレッシュできます。
 これから何回かのシリーズで,自宅でもできる気軽な星空観察のコツを紹介します。

 いま,日没後の夜の早い時間帯,西の空に一番星,宵の明星・金星が見えています。金星は,太陽や月を除けば,最も明るく見える星です。日没後の18時半ごろから,ひときわ明るく輝きだします。西の空が見通せる場所であれば,灯りのついた部屋の窓からも簡単に見つかります。夕食後のリフレッシュタイムに,西側の窓を開けて探してみてください。ただし,21時半過ぎには西の地平線に沈んでしまいますので,暗くなってから早い時間帯がおすすめです。

 金星のまばゆいばかりの光をたっぷりと浴びたあとは,近くに見える明るい星もついでに探しましょう。金星の左下,腕をいっぱい伸ばしたときのゲンコツ一個分のところに,明るい星がぽつんと見えます。よく見ると,オレンジっぽい色をしています。おうし座の一等星,アルデバランです。アルデバランのまわりをよく見てください。暗い空では,20個程の星がVの字に集まっています。肉眼でも十分に楽しめる星の集まり,ヒアデス星団です。
 アルデバランは,牛の目。ヒアデス星団の三角形は,牛の顔。そこから2本,長いツノが上の方向に伸び,りっぱなおうしの姿が見えますか。

 ここでもう一度金星に戻り,そこから右下を見ると,何やら星がごちゃごちゃと集まっているのが見えます。見にくいときは,部屋の電気を消して周りを暗くし,目を暗闇に少し慣らします。視力のいい人だと,5つか6つの星が見えます。少し視力が弱い方でも,そらし目で見ると,ぼうっとした光が見えるはずです。
 これは大変有名な天体で,谷村新司さんも歌った,すばる=プレアデス星団です。すばるは,天体望遠鏡で見るより双眼鏡のほうがきれいです。双眼鏡がある方は,ぜひ見てください。

(文と写真 大崎生涯学習センター長 遊佐徹)

 写真は,4月6日の金星とすばる,ヒアデス星団の接近の様子です。双眼鏡で見たイメージが伝わるように,100mm望遠レンズで撮影してみました。
写真:金星とすばる,ヒアデス星団(2020.4.6撮影)

図:金星とおうし座

パレほしたより No.2
2020.4.17

 パレほしたよりNo.2ができました。夕方の西の空で一際輝くあの「金星」を紹介します。おうちでぜひお使いください。

 4月20日発行の大崎タイムスに掲載されました。
ありがとうございます!

パレほしたよりNo.2 金星(pdf)
パレほしたより No.1
2020.4.4

 星は山の上や暗いところに出掛けなくても,おうちの庭や窓からでも見ることができます。ご自宅で星空散歩を楽しんでいただけるよう,おすすめの星たちを紹介した「パレほしたより」を作りました。ぜひお使いください。

パレほしたよりNo.1 おすすめの星(pdf)