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巨大黒点9393が回帰。依然活発、フレアも。

     【2001年4月20日公開】  


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左の縁にある2個の黒点が、回帰した9393


  先月末に、過去10年間で最大級の巨大な黒点群(CNN.co.jpの3月31日の報道や、アストロアーツ(「ここ10年で最大の黒点群が出現中」参照) が発生し、さらに過去25年間で最大級の太陽フレアが発生したことは、この天文ニュースでもお伝えしました。
 その黒点群は、活動領域9393と呼ばれていましたが、先日その黒点群が再び活発な姿で太陽面に姿を現し、20日にはさっそくM型フレアを発生させています。なお、この黒点群は、新たに9433と番号が与えられました。

 太陽も地球と同様自転しており、地球から見て、約27日で一回転しているように見えます。領域9393は、3月22日ごろに太陽面の東縁に出現しましたが、その後成長しながら、自転によって3月28日頃太陽面中央付近に周り、4月3日過ぎには西の縁に隠れ見えなくなっていました。
 たいていの黒点は、太陽が一回転するうちに成長・衰退・消滅し、再び観測されることはあまりありません。しかし、大型の黒点には、希に2ヶ月も存続する長寿命のものもあります。このようにして、同じ黒点が再び見えることを「黒点の回帰」と呼んでいます。

 この活動領域9393は、3月末から4月にかけて、大規模なフレア(太陽面爆発)を繰り返し、4月3日朝方(日本時)にはX20という巨大フレアを起こしました。回帰してからの9393は、依然として活発で、20日午後2時過ぎには、最大M1の中規模のフレアを発生させています。
 フレアは、「ハ」の字の形に明るい部分が輝く「ツーリボンフレア」という構造が、しばしば見られます。
4月10日に領域9415発生した別のフレアは、長い2本のリボン状の帯がたなびく、典型的かつ見事なツーリボンフレアでした。今回、20日午後2時過ぎのフレアも、右の3枚の写真のように、「ハ」の字型の構造が確認できます。

9393の拡大像
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 上の白黒画像は、可視光(通常の光)で撮影。

 右の赤い太陽は、Hα光と呼ばれる6563Åのごく限られた波長の光のみを取り出す特殊なフィルターを通した太陽像。
 Hα光では、フレアやプロミネンスなど、活動する太陽の姿をとらえることができる。

*強風による悪条件で、いい画像が得られませんでした。

 ↓ 9393に4月20日午後2時過ぎに発生した、「ツーリボンフレア」
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